読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

半地下備忘録

たつさんの日記的ななにか。

『ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち』読んだ感想など

読書

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。

本屋大賞にノミネートしてたり、テレビドラマ化されたりと話題だったり、前々から気になってたので手にとってみた。ちなみにドラマはまったく見ていないし、自分の周りで見たって人も居ない感じ。キャスティング発表の時が一番盛り上がってたんじゃなかろうか。

時系列順の4話収録で、1話ごとにビブリア古書堂店主の栞子さん(カバー絵のお姉さん)が謎解きしていくスタイル。4話も収録されてるから、1話ごとのミステリー具合というか、謎は結構あっさりし過ぎで、個人的には短編が集まってるよりも、長編のほうが好きかなと。ちなみに、似たような設定で、神様のメモ帳が頭に浮かんだよ。

内容についてはネタバレを避けるけども、3作目のあったかい夫婦がよかった。ぼくも年をとってきたせいか、この手のいい話に最近ほんとに弱くなった。この話みたいな夫婦に限らず、いい話は泣きそうになるし、自分もこんなかんじになりたいなーって素直に思うようになった。


あと、小説の舞台と雰囲気がとてもあってて、石田衣良のエッセイ集で地名について語られてたの思い出した。

小説のなかでは、地名には魔法のような力がある。

(中略)

魅力的な人物と面白い物語だけでは、小説はまだ十分ではない。もう一弾重みを持って、現実の世界のリアル感を表現するために地名が必要だったのである。いいかえれば、魅力のある部隊としての待ちが欠かせなかったのだ。

『目覚めよと彼の呼ぶ声がする』(p.126地名さまさま)より引用

鎌倉は行ったことあるけど、ビブリア古書堂の事件手帖の舞台になった北鎌倉には行ったことがない。それでもなんとなく時間がゆっくり流れているんだろーって思わせられたし、やっぱり地名の力ってすごい。

目覚めよと彼の呼ぶ声がする (文春文庫)

目覚めよと彼の呼ぶ声がする (文春文庫)